ZUMVU

ChristineStogner

    Added on 12 June 2021
    ハンベエはそう言いながら、心無しかウンザリした顔になった。
    「仕方ないねえ。じゃあ、今回はヒューゴを借りて行くよ。それなら良いだろう。」
    「そうしてもらえると助かる。ああ、勘違いしないでくれ。俺だって、事情が許せばイザベラの側に居たいんだぜ。」
     些か弁解気味にハンベエが言った。
    「おやあ、随分口が回るようになったね。その言葉、覚えて置くからね。」
     イザベラはヘラっと笑った。 イザベラはハンベエとの話が済むと、今度はエレナの所へと戻った。全く席の温まる間も無いとはこの事だ。ヒューゴへの支援依頼はハンベエに任されたらしい。
     エレナの側に居るハイジラをチラリと見て、エレナの正面に座った。それから、片方の掌にもう一方の人差し指で何かを描き始めた。エレナは目を丸くした。傍らに居るハイジラもトロンとした眼でイザベラの動きに吸い付けられていた。
    「イザベラさん、一体何を。」

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